2013年3月9日土曜日

伊藤洋志さん講演「世の中がややこしくならない仕事を作るには」に参加してきました。

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もう一週間以上前の話ですが、

2月28日に、大阪のスタンダードブックストアで行われた、伊藤洋志さんの講演会「世の中がややこしくならない仕事を作るには」

というイベントに参加してきました。

伊藤さんは、「ナリワイを作る」という本を昨年に出版されていて、僕も「自分で仕事を作る」とか「(仕事の)自給自足」について興味があったので、本が出た当初から、伊藤さんをフォローしていました。


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「仕事をつくる」といっても、何も起業をしてぼろ儲け、といった方法をとるのではなく、「自分たちが普段必要な仕事は、自分たちで作ろう!」というコンセプトで、身の回りで必要な仕事を、自分たちで作っていく、というユニークな考え方、実践です。



そんなナリワイを作る時に必要な考え方というのは、

1・ノーリスクで始める

2・「あったらいいな」を形にする

というものです。


例えば、伊藤さんは実際に、以下のようなナリワイをこれまでに作っておられます。


モンゴル武者修行ツアー

これは、「モンゴルに行きたいけど、用意されたパックツアーは物足りないから嫌だ!」という欲求不満?から作り出されたツアーで、スケジュールは基本的に現地で、参加者同士で決めるというという方法をとっており、現地の生活経験を通して、「生活する力」の向上も視野に入れているナリワイです。


次は、結婚式を通して仲間が出来る、というナリワイ婚礼サポート

これも、「結婚式代が高すぎる!」ということで、使われなくなった木造校舎やらなんやらを使って、自分たちで結婚式を作ってしまおう、というナリワイ。


他にも、「京都で住む場所が欲しい」という欲求を満たすために、シェアハウス?を自給した古今燕という住処を作るナリワイがあったり、パンを自分たちで作るワークショップを開催したりと、これまでに10個以上のナリワイを作り出して来た伊藤さん。


もともと、伊藤差の数多くの原体験(世の中に対する違和感)が積み重なって、このような「仕事作り」をするように至った、と、講演では言われていました。


特に、「会社勤めをして鬱になるのは、ここ50年ほどで急激に変化した働き方(企業に勤める、という画一化)に、人が合わせられなくなっただけ」とおっしゃっていて、「本来仕事というものは、自分で作るもの(明治末期には二万を越えていた職種が、今はたったの2千件ほどになってしまっている)」という箇所を、伊藤さんは強調されていて、「(仕事には)多様性がないときつい」ともおっしゃっていました。


確かに、今の仕事というのは、どこかで齟齬が生じていて、

例えば、様々な広告媒体を使って、求人広告や賃貸情報やらを載せているのに、「その売り手は絶対にその商品は買わない」とか、

「この牛乳を毎日飲み続けると、身体に悪い」とか、

そんな「食い違い」が多く見られる、と講演の中で説明されていました。



なので、ナリワイの作り方、目の付け所として
「生活の自給力を上げる」ことと「支出を面白くカットする方法を研究する」ことと、「仕事の単位を小さくする」、

この三つを組み合わせれば、ナリワイは簡単にできるとのことでした。
(一番手っ取り早いのが、何かしらのイベント)


伊藤さんは、他にも「床はり協会」や「壁崩し協会」なども組織されていて、「プロに高いお金を払ってしてもらっている仕事を、自分たちで作ってしまおう!お金をかけずに、かつ安く済まそう!」というベクトルに数多くの挑戦をされています。



この講演で話されていたことは、上記の本にも殆ど書かれているので、興味のある人は是非手に取って頂きたいのですが、


講演に参加して、改めて「仕事を自分で作る」ということの重要性を、考えることが出来ました。


初めて会社員として始めた仕事を、半年経たずに辞めてしまった僕ですが、

今は翻訳等の仕事を個人的に行っていて、なんとか生きて行けてます。


(前の仕事をしていて蓄積した違和感、辞めたいきさつ等については、以下の過去記事をご覧下さい)

なぜ僕は、新卒で始めた仕事をわずか5ヶ月でやめたのか?(1)

なぜ僕は、新卒で始めた仕事をわずか5ヶ月でやめたのか?(2)

なぜ僕は、新卒で始めた仕事をわずか5ヶ月でやめたのか?(3)



「ナリワイ」という見方、考え方では、生活の自給はできていないに等しいので、まだまだなのですが、


やっぱり、「仕事」は作れる方がいいです。


そう思います。


会社員、という一言でくくってしまうには、あまりにも多くの職種がありますが、

究極的な話になると、どれだけ自分の能力をお金を交換できても、それが「市場価値」だけでしか測られない能力だと、もしお金の価値がなくなってしまったら、生きて行けないことになってしまうのですから。

もうちょっと言葉を足すと、自分で食料を作ったり、掃除をしたり、家を建てたりして、「生活する」ことができれば、余分なお金を間に介在する必要もありませんし、そういう「自給力」があるに越したことはないと思います。

ものすごい高給取りであっても、そのお金で、どこかの店の料理を食べたり、家事代行を頼んだり、なんだかんだしていると、「お金を稼げなくなった時に、生きて行けない」、逆に言うと、「自給力があれば、収入が少なくても生きて行ける」、ということになると思います。


一ヶ月にかけている家賃や食費等、自分の出費を整理して、「なんとか自分の能力で代用できないか?」ということを考えてみると、案外いろいろ実践できるのではないか、と思います。
(僕もその具体案がないので、全然説得力はないのですが)


自分で仕事を作ってみると、智恵もつきますし、何かと楽しいのではないでしょうか。


もちろん、「お金が必要ない!」と言っているわけではありません。


でも、今は新聞を読んでもニュースを見ても、過労で鬱、とか過労死、とか、「生きて行くために仕事をするのに、仕事をして死んでしまう」という、笑えない世の中になってきています(僕も一時期、そんなことになりかけていたので、とても人ごととは思えません)から、根本的に「仕事の仕方、働き方」を考え直してみるのは、一人一人にとって、本当に喫緊の問題なのではないでしょうか。


いわゆる「ノマド」等のように、強烈なインパクトはそれほどない「ナリワイ」という考え方ですが、この思想を心の片隅に入れておいて、損はないと思います。


今の仕事に疑問を持っていたり、これから仕事をするのに不安があったり、違和感を抱えている人はもちろん、まだ大学生の人にも、読んで頂きたい一冊です。





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他にも、似たようなトピックについて書かれている以下の本も、同時に読んでみてはいかがでしょうか。




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2 件のコメント:

  1. こんにちわ、ナリワイエントリー愉しく読ませて頂きました。
    大阪の講演会にもいらしてたみたいで、親しみを感じて読みました。ぼくもいました。
    もしかして、一番前に座ってさりてしょっぱな伊藤さんに質問されてた方ですか?
    私とは業種は違えど、仕事に対するスタンスや生き方が近い気がしてとても共感しました。

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  2. アサワ様、コメントありがとうございます。
    同じイベントに来ておられたんですね。
    そうです、一番前でスーツを着ていて、「仕事を半年で辞めて〜」と(確か)話していた者です。
    少しでも、自分がしっくりくる働き方や、仕事作りをしていければ素敵ですよね。
    また何かの機会に、お話しできればと思います。

    返信削除