2013年9月8日日曜日

LCC勃興の時代に、マイレージをもう一度考えてみる 3

前々回、前回と二回に分けて、飛行機を利用する時にLCCとフラッグキャリア(大手航空会社)をどのように使い分けるか、ということを書いてきた。

これらの使い分けに関して、僕の意見をもう一度まとめてみると
・値段が格安なLCCは便利だが、遅延や追加料金等でメリットも多い
・今はSkyscannerなどのサービスを使って、手数料ゼロで大手会社の格安航空券を探すことが出来る
・大手のフライトはマイルが貯まる可能性が高いから、マイレージサービスを使い分けて利用すると、将来的にメリットが大きい
ということだった。

参考:
LCC勃興の時代に、マイレージをもう一度考えてみる 1

LCC勃興の時代に、マイレージをもう一度考えてみる 2


そういうわけで今回は、具体的にどうやってマイルを貯めるのか、マイルを貯めるのであればどの航空会社やアライアンスが良いのか、ということを自分の経験をもとにまとめていく。

まずは、マイルの貯め方だ。

・マイルは事後登録ができる
これは案外、知られていないことかもしれない。

普通マイルというのは、航空券を買う時に加算されるものであって、それは各航空会社のサイトから直接購入する場合だけだ、と思われている方がおられるかもしれないが、それは違っている。

もちろん、マイルを貯めるにはいずれかの航空会社(ANAでもよいしJALでもよいし、それ以外の海外のエアラインのでも良い)のマイレージサービスに登録をしないといけないのだが、一度会員登録をしてしまえば後は特に問題ない。

事後登録ができる期間は会社によって異なっていて、最大で一年前のフライトまでできるものから、最大でも三ヶ月前のもの、というものまで幅があり、会員になる前に念入りに確認しておいた方が良い。

事後登録ができるということは、例えば会社のホームページで販売されている「正規運賃」以外でも、格安航空券を自分で買った場合(SkyscannerやExpediaなどで)に、マイルを貯められる可能性がある、ということだ。
これを知っているか知らないかで、大きく異なってくる。

参考:マイル事後加算期間チャート

一番多いのは、フライト利用後半年以内、というものであるようだ。

ここで一つ気をつけないといけないのは、「入会後のフライトの場合」と「入会前のフライトの場合」で、登録期間が変わって来る、ということ。

例えば、2013年1月1日にA社のマイレージプログラムに参加したとすると、2012年12月1日に利用したA社(もしくはアライアンスに加盟している)フライトのマイル事後登録期間は、搭乗日から3ヶ月以内で、2013年2月1日に利用したフライトの事後登録期間は搭乗日から6ヶ月以内になったりと、異なるわけだ。

僕の場合、2012年10月23日にアエロフロートを利用したのだが、提携関係にあるKLM/エールフランスフライングブルーに参加したのが2013年の1月中頃だったので、「入会前のマイル事後登録は登場から三ヶ月以内」のルールにあやうくひっかかり、登録をしそびれるところだった。

なので、「まだ入会していないけど、前のフライトを登録したい」という方は、入会前申請が不可能な大韓航空、エアカナダ、アシアナ航空等のプログラムは使用しない方が良いだろう。
(ここに書かれてある内容は、以後予告なく変更される場合があります)


もう一つ、マイル加算で知っておきたいことはクレジットカードの利用だ。

ANAやJALのマイレージプログラムと結びついたクレジットカードを使うと、「クレジットカードで100円支払につき1マイル」などのサービスがあるので、普段から以下のようなものをクレジットカードで支払うようにしておくと、毎月難なくマイルが貯まっていく。
・インターネット代
・携帯電話代
・電子書籍(Kindle)
・各種サービス利用代、購入代
・航空券代
LCC航空券

ここで僕が目を付けているのは、LCCの航空券をマイレージプログラムのクレジットカードで支払うこと。

LCCの運賃はクレジットカードでの支払しかできない場合が多いのと、支払手数料も数百円取られてしまうので、どうせなら全て、効率よくマイルにかえてしまおう、という話。
LCCで往復8,000円の券を買っても、80マイルくらい貯まるので、塵も積もれば山となるのだと思う。

あとは、普通の航空券も、だいたい5〜20万円くらいするので(目的地にもよるが)、一度の往復フライト代をクレジットカードで払うことで、500~2000マイルは異なってくる。

マイレージプログラムは年会費(5,000円〜20,000円程度)がかかるが、細かくマイルを貯められると思えば、高くはない買物だと思う。


参考:
ANA JCBカード

JAL CARD


マイルの加算率は、会員の種類(一般、ゴールド、プラチナ等)によっても違うし、各アライアンスによっても異なるので、自分の好みや用途にあったものを使って頂きたい。


では次にどのエアラインやエアラインアライアンス(航空同盟)を使うのかについても、自分なりのまとめを記しておく。

まず、大手エアライン同士は、会社を越えて同盟(アライアンス)を組んでいることが多く、以下の三つのアライアンスに分けられる。
スターアライアンス
ワンワールド
スカイチーム

世界の大手航空会社は、おおよそがいずれかのアライアンスに属していて、アライアンス内での航空会社は相互提携して、マイルを加算することができる。
(例えば、スターアライアンスのANAマイレージを使っていると、同じアライアンスのルフトハンザドイツオーストリア航空を利用した場合のフライトも、マイル積算対象になる。)


それぞれのアライアンスの特徴を以下にまとめてみた。
(筆者独自の見解であることをご容赦頂きたい)


<スターアライアンス>
・日本エアラインはANAが加盟。
・ヨーロッパ系の多くの航空会社(ルフトハンザ、オーストリア航空、スカンジナビア航空、LOTポーランド航空等)が加盟している
・アシアナ航空(韓国)、ユナイテッド航空(アメリカ)、中国国際航空、ニュージーランド航空、エア・カナダ、トルコ航空などが加盟しているので、主要国へ行く際にだいたい利用できる
・日本国内の移動でも利用機会が多いので、マイルを貯める機会は少なくはない
・ANAマイレージの場合、マイルの有効期限が加算月から36ヶ月なので、永遠にマイルが残らない
・ヨーロッパ系の航空会社は、殆どが成田発着便だけなので関西や地方に住んでいる人は利用機会が少ない(おまけにルフトハンザは料金が高め)
・中国国際航空は、Skyscannerで価格が上位にヒットする(安い)
などだろうか。

僕はANAマイレージを使っているが、関西在住でヨーロッパ系エアラインは殆ど使わないので、今はサブのプログラムとして使っている。
今後は、トルコ航空で中東やヨーロッパに行く時や、中国国際航空を使うときにお世話になると思っている。
(それまでに積算マイルが切れそうなのだけど)

あとは、ANAマイレージの場合、独自提携でカタール航空もマイル積算対象なので、カタール航空(料金も安い)をよく使う人は、ANAのマイレージを使うと良いかもしれない。

参考:ANAマイレージクラブ


<ワンワールド>
JALが加盟
・他はフィンエアー(フィンランド)、ブリティッシュ・エアウェイズ、キャセイパシフィック(香港)など。
→選択肢が少ないかなー、という印象。
・JALプログラムは、マイルを貯めやすいことと交換が少ないマイルからできることが魅力。
・ヨーロッパのLCCであるエア・ベルリンも提携しているのは面白い。

僕は、選択肢の会社が少ないためワンワールドは利用していないが、JALプログラムではエミレーツ航空も独自提携しているので、使い方によっては十分にもとが取れるのかもしれない。

参考:JALマイレージバンク


<スカイチーム>
・日本の大手航空会社は非加盟
・KLMオランダ航空やエールフランス、中国東方航空/南方航空、中華航空など、価格力が強いエアラインが多い
・フライングブルー(KLM/エールフランスのプログラム)の場合、マイル有効期限は20ヶ月だが、期間内にスカイチーム便を使えば有効期間が20か月更新されるので、半永久的にマイルが貯まる。

参考:フライングブルー

僕はこのフライングブルーを利用しているのだが、案外利用価値が大きそうなプログラムだと思っている。
日本の大手こそないが、KLMとエールフランスは共に、ヨーロッパ系では一番安い価格のことが多いし、大韓航空や中国系エアラインも、Skyscannerでは上位にヒットするので、安い航空券は多く手に入りそうだ。
関空から香港へ行く際も、中国東方航空が安くヒットするし、アエロフロートも航空券は安い部類だ。

中国系を使うと、乗り継ぎがあるため移動距離が長くなり、その分マイル換算距離も多くなるから安い航空券でマイルを多く貯めることができるかもしれない。
(これはまだやったことがない)

(「移動距離が長い」ほうが良いのであれば、中東を拠点にしているトルコ航空、カタール航空、エミレーツ航空、エティハド航空を利用しても、マイルが多く貯まるのだろう)


僕は去年の夏にANA、今年の年明けにフライングブルーを利用し始めて、まだまだこれからなのだが、これからも世界のいろんなところで滞在をしたり、旅をしたいので、いろんな機会を作っては、どこまでマイルを貯めることができるのか、ということにも同時に挑戦していこうと思っている。



前々回、前回、今回と、主観的にではあるが、マイレージに関する情報や自分の考えを、現時点のもので表してみた。

マイルの事後登録、クレジットカードの賢い利用、格安航空券の利用など、あれこれと手段を尽くすことによって、一度のフライトが将来に何倍にもなって帰ってくる。

今や日本国内にもLCCがひっきりなしに飛ぶようになってしまったからこそ、海外に行くときなどにフラッグキャリアを賢く使い分けて、少しでも気持のよい旅をしてみたい。


ここの情報は今後、変更する可能性があるので、実際にマイレージプログラムを利用される際は、ご自身で必ず、改めて調査をして頂きたい。


前々回、前回の記事はこちら。
LCC勃興の時代に、マイレージをもう一度考えてみる 1

LCC勃興の時代に、マイレージをもう一度考えてみる 2








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