2013年4月6日土曜日

企業に雇われずに3ヶ月間仕事をしてみて、感じたこと。

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早いもので、年度が変わって最初の五日間が過ぎた。


この春から仕事を始めた人も多いと思うけど、今はまだ研修期間の人が多いのやろうか。


今年に入ってから、企業に就職はせず、個人事業主のはしくれとして仕事をしてきたんですが、年度も変わったので、一つの区切りとして、僕が感じたことをまとめておこうと思います。


この三ヶ月、翻訳の仕事を中心として、幾つか仕事を請け負ってきたわけですが、その感想とか手応えというと、「思っていた程簡単ではない。けれど、そんなに悲観することもない」というものです。

とても手前味噌な感想になっていますが(笑)


この三ヶ月の仕事を整理してみると、翻訳(英→日、日→英)で、小さな仕事も合わせると7件既にやっていて、今一つ、大きな案件が入っている状態。

収入的には、普通のサラリーマン(「普通」というのは、新卒の給与水準)と比べると圧倒的に少ないけれど、生活コストがかからないように工夫しているので、収支はトントン(二月はギリギリ黒字!)。
もちろん定期的な収入はないので、毎月が勝負で、収入の変動もあるけれど、この三ヶ月はなんとかなっている。

仕事量は、これまたまちまちで、暇な時は暇。忙しい時は何故かいろんな仕事が被さる。まあこれは、ある種人生の必然なのかもしれないけど(笑)

最近ようやく、一日のリズム、ペースが摑めてきた、かな。



ここからは、この三ヶ月で見えた課題や、気づけたメリットなどについて書こうと思う。


まず一番の課題は、「トライアル突破力」


翻訳の仕事(定期的・長期的な仕事)を得るには、トライアルという、多くは無償のテストを受ける必要があるのやけど、それを突破する力がまだ備わっていない。

もちろん、どんな分野に専門を絞るのか、という問題はあるけれど、いわゆる「型」をきっちりと理解していない感はあるな、と思っている。


ただ、前に受けたトライアルで、大学入試レベルの比較的易しい文章があって、それは手応えがあったのに落ちてしまったから、そこで自信を失ったことはあったし、究極的には「こんな風に訳して欲しい」という、出題者の意図に合わないこともあるのかなあ、つまり「相性」の問題もあるのか、と思った。(もしくは、自分の訳が良くても更に良い人が沢山いたか)


僕は今まで、大学受験レベルの英語しか勉強していないし、英語を使っての仕事・翻訳会社での勤務経験はゼロ。こういう状態なので、いわゆる「型」を知らないし、そういう(一種の)「レール」の上をきっちりと行くには、まだ力が足りていない。

これをカバーするには、どこかで仕事をするか、もしくは翻訳系の学校に通うのか、というのが現実的な選択肢になってくる。(金銭的な事情も考えると、通信講座を使うのが一番良いと思っている)


ここを突破することが出来れば、見える世界も大きく変わるのではないか。そう思っているのが現段階。



ただ、その一方で、ここ2週間程で仕事を受注することもできて、これは大きな自信になった。

それは今流行の?クラウドワーク関連のサイトを通して獲得することが出来た仕事で、このサービスにはとても注目している。これらのサイトは在宅向け、フリーランサー向けに仕事が用意されているサイトで、使い方次第で、実績も経験も殆どない、僕のような人間でも、仕事を獲得することが出来る。
仕事を得る機会が用意されている(少なくともゼロではない)ことに、この三ヶ月で気づけたことは、とても大きい。(クラウドワークに関する文章は、またあらためて書こうと思う。)


今までは正直、「翻訳=どこかの会社で下積みして、十分な力をつけた上で複数のクライアントから仕事をもらう」というキャリアパスしか知らなかった(実際、翻訳系の本を読んでもこの道しか書かれていない)ので、別の切り口があることに気づけたのは、大きな収穫になった。

(ちなみにこの、クラウドワーク関連のサイトは、ウェブ系の仕事がメインなので、その道の人も是非参考にして頂きたいです)




で、これら上二つの雑感を踏まえて、これから必要なのが営業力プロフェッショナル集団

まず営業力。


これは、そのままの通り、自分で顧客を開拓する力。

今まで翻訳家って、ずっと家で仕事をして、発注とか受注のやりとりも基本的に在宅でしていると思っていた(し、実際にそうやと思う)けど、案外翻訳っていろんな部分でニーズがあると思っている。

翻訳家って、一般的に知られているのは出版翻訳と産業翻訳だと思う。後者は、金融とか法律・特許とか化学とか、専門的な文書を訳す翻訳ジャンルやけど、これ以外にも、翻訳のニーズってあると思う。例えば、ウェブサイトの翻訳とか、観光地の案内とか、色々。


そして、これら後者のジャンルをカバーしている翻訳家って、あんまりいないんじゃないか、と思っている。でも実際には、そういう翻訳をして欲しいと思っている人がいるんじゃないか、という仮説も持っている。


だから、僕の場合は奈良で、これから動いて行こうと思っているし、あまりかっちりとした「型」にハマりすぎないようにしたい。(結局は、翻訳という「ツール」をメインにして、商いをしていく、ということかな。)

そして、「翻訳家」として営業をかけていく時に、他のプロ集団と手を組めば、更に大きなことができるんじゃないか、と思って、動き出しているのが今。

例えば、印刷やデザイン、もしくはウェブ関連の分野のプロと一緒に仕事ができる仕組みを作り上げたら、強い営業ができる。

まあ、単純に翻訳だけできても、ニーズが汲取れないんじゃないか、というアドバイスを頂いたのもあるわけですが、


お互いの強みを補完しあって、よりよい仕事を作れたら素晴らしいですね、ってことです。


あと、最近もう一つ思うのが、

翻訳業界って成熟産業で、かつ保守的なんじゃないか、ということ。


それは、「レールがある程度しっかり敷かれている」というのと、「翻訳者同士の繋がりはあるけど、外部の人との繋がりがあまりなさそう」(どちらもあくまでイメージ)という印象からきている。


前者については、別の業界にも言えることかもしれないけど、「一人前の翻訳者になるには、こういう道を通るのがよい(通るべき)」という、とても限定的な情報しか書かれていない、ということ。

産業翻訳の場合やと、「法律事務所で働いていた人がなっている」とか「理系の学部出身で、メーカー勤務があったほうがいい」とか。
でもそれやったら、僕みたいな、「専門知識もなくって、お金もそんなに持っていない人はどうすればええの??(苦笑)」っていう疑問にぶつかる。

そういう場合は、どこかの会社に勤めて生活費稼ぎながら、仕事以外の時間で専門学校に通ったりするのが現実的、みたいに書かれているけど、なんというか、それ以外の方法ってないのか、とか。


専門誌で紹介されている翻訳家の人は、外資で働いた経験があるとか、外国の院に進学していたとか、そういう人の紹介が多いけど、もっと異色のキャリアを歩んでいる人っていないの?って、単純に疑問に思う。


で、それと平行して、翻訳の世界って保守的やな、と思うのは、普段翻訳家の人と接する機会ってないな、という。

聞くところによると、翻訳家同士のネットワークは凄いらしいけど、縁の下の力持ち的な存在やからか、あまり表に出ない人が多いなー、という印象です。

Twitterとかで翻訳関係で検索しても、そこまですごい人はいないし、個人的には翻訳家の人たちが、どんなキャリアを歩まれているのかとか、すごく興味があるのに、その人たちと接する機会が少ないのは、なんとかならないものかな、と思っています。

(僕なんか、Twitterとかで業界とか活躍分野とか問わず、いろんな人と今までお会いしてきたので、もどかしいというか)


特に今、「新しい働き方」とかの考え方が徐々に広まっている中で、クラウドワークとかも出て来ているのに、プロの翻訳家になるための選択肢があまりにも示されていなくって、僕みたいな「異端児」には、どうもしっくりこない部分があったり…。(今がまさに過渡期なのかもしれないけど)


なので、今年度は、様々な分野で活躍されている先輩の翻訳家の皆さんにもお話を伺って、いろいろ勉強させて頂きたいのです。

僕の周りに、そういう人がいないので、いろいろアドバイスも頂ければと思うのです。



3ヶ月、組織に属さずに仕事をしてみて思ったのは、何事も不可能ではないということ。

この3ヶ月で、入ってくるノイズはだいぶ減って、自分が欲しい情報にもアクセスできるようになったと思う。

何よりも、ノイズが減ったから、感覚が研ぎ澄まされているのは間違いない。

実際にやってみることは大事やなあ、と。改めてそれに気づけたのは大きかった。

あと、最近は、自分が稼ぐお金に愛着が湧いてきた。
稼いでいる額は、サラリーマンの時より随分減ったけど、翻訳をするとアドレナリンが出て、その対価として受け取ったお金に、とても愛着がある。

こんな風に稼いだお金やから、気持よく使うことが出来るし、これを元手に投資(自己投資)をして、更にリターンが返ってくると思うと、自分でお金を回すサイクルを作るって、とんでもなく気持のよいものやと思う。想像すると鳥肌が立つ。

正直言うと、サラリーマンの時に稼いだお金には、ここまで愛着はなかった。

こういうことにこの年齢で気づけたのは、恵まれているかもしれない。


いろいろ、順調なんじゃないか。

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