2016年5月3日火曜日

文系学生の常識、理系学生の常識



立花隆「脳を鍛える」の一節に、以下のようなことが書かれていました。



「文系学生に『シェークスピアの本を読んだことがあるか?』と質問することは、理系学生に『熱力学第2法則とは何か?』ということを聞くのと同じくらい、失礼なことだ」



この本は、立花さんがかつて東大で講義をした時の内容をまとめてあるのですが、



要するに、文系学部生なら当然のことながらシェークスピアを読んでいるし、理系学部生なら、熱力学第2法則を理解しているのは当然のこと、ということです。



いかがでしょうか?



ちなみに私は文系学部出身ですが、これまでシェークスピアの本は一ページも読んだことがありません(苦笑)


ただ、熱力学第2法則はだいたい説明できます。


本当に文系かよ、って話ですけど。




もしこの問いに対して危機感を抱いたなら、とりあえずこの「脳を鍛える」を読んで、最低限の教養は身につけたほうがいいでしょう。


立花さんは科学関連の取材や執筆も大変多くされているので、どうしてもサイエンス寄りの目線になってはいますが、特に強調しているのは、文系学部生が科学の基本原理すら知らずに世の中に出て行ってしまっているのは、大変恥ずかしいことだ、ということです。



私は幸い、仕事で遺伝子工学や材料化学等、サイエンス分野に関わりを持つことができて、そこからいろいろと勉強できているのですが、本当に世の中、自分の知らないことだらけだな、と痛感させられます。


立花さん的には、一昔前までは、文系人間でも大学受験前に物理、化学、生物、地学を全て履修した上で受験で二科目を選んでいたので、(同様に理系も、社会は全て履修)、そこまで文系理系の差はなく、学問の土台もしっかりしていたそうですが、


今は、大学で分数の計算を教えないといけないくらいに、日本の「知の世界」はガタガタに崩れてしまっている、と。


何らかの危機感を持っている人は、立花隆と、あとは佐藤優の本を読みあさった方がいいです。


佐藤さんは人文社会、立花さんはサイエンスの世界から、教養や知を備えていることがいかに大切か、ということを書かれているので。


とりあえず読むなら、これらをお勧めします。



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佐藤さんの、世界の歴史・流れを踏まえた上での世界情勢の大局観には脱帽しますよ。これだけのレゾリューションで世の中を見たら、憲法や国家の安全保障、イスラム国、EUの話など、自分がいかに無知であるかを思い知らされます。


「大人になってから歴史を学び直すなら、世界史Aと日本史Aの教科書が良教材」というのも、参考になります。




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