2014年2月7日金曜日

僕がカウチサーフィンを使う5つの理由

カウチサーフィンって、日本でどのくらいのユーザーがいるのかよく知らないんですが、僕は旅行に行く際、また地元にいる際に時々使っていて、このサービスはとても好きなので、今回は紹介をできればと思います。

◎そもそもカウチサーフィンとは何か?
簡単にいうと、「宿泊場所の提供をするSNS」です。

「〇〇を訪れるのですが、どなたか泊めて頂けませんか?」
「〇〇に住んでいますが、スペースが余っているのでどなたか泊めて頂けませんか?」

これらのニーズのやりとりができるSNSサイトで、要するに「無料で泊めてもらう」「無料で泊めてあげる」ことができるサービスなのです。

(このサービスでは他にも、「〇〇に訪れるのですが一緒に食事しませんか?」や「〇〇でイベントするのですが、参加しませんか?」ということもできるのですが今回は割愛します。)

僕は今までカウチサーフィンを使って、10回くらい海外で泊めてもらい、6回くらい日本に来た外国人を泊めたのですが、なかなか面白いサービスだと思います。

今度も海外に行く際に使う予定ですが、使う中で分かったこのサービスの魅力を、以下にまとめます。


◎1、無料で泊めてもらうことができる
これが、一番のメリットだと思います。

旅行をすると必ず宿泊はつきもので、旅先の物価や宿泊方法にもよりますが、バックパックをしていてドミトリーを使っても、500円〜3,000円くらいは一泊かかってしまうものです。

それを、このサービスを使うと実質居候という形になり、宿泊費がタダになるわけなので、お金を大きく節約できます。


◎2、観光客ずれしていないスポットに足を運べる
カウチサーフィンで泊めてくれる人は、その町に住んでいる人です。

もちろん、人によってはその町の出身者以外にも、移住者や留学生など、様々な人がいますが、長かれ短かれその町に住んでいるので、例えば安いお店を知っていて、そこでご飯を食べることができたり、ガイドブックに載っていないスポットを教えてもらったりすることができます。

僕なんか、あまり観光客でごったがえしている場所は好きではないので、こういう方法でローカルなお店や場所を知ることが、今では旅の楽しみになっています。


◎3、(旅行者以外の)人と交流できる
これは、泊まる側でも泊める側でもそうですが、バックパッカー宿では出会えないような人と出逢うことができます。

その町で働いている人や、学生生活を送っている人もいるので、話の話題も、旅行者同士でありがちな旅先の情報交換や旅の自慢話だけではなく、その町の歴史や会う人のこれまでの人生経験、悩み等(さすがに、一回会うだけでは言えないこともありますが)、トピックが多岐にわたります。

ですから、例えば旅行だけじゃなく、ワーホリでの渡航で最初はカウチサーフィンをしながら、現地の求人情報や町の情報等を収集するこも可能です。
(僕は実践したことがないので確証はありませんが、「ディープな情報」が入ってきたり、人を紹介してもらったりと、可能性は高いと思われます)



◎4、静けさを体験できる
これは、主にバックパッカー宿を使う時に経験することですが、ヨーロッパとかにいくと、公共ルームで夜中まで酒を飲んで騒いでいる人がいたり、ドミトリーでもプライバシーがあまり保たれていないので、神経がすり減ってしまうことがあります。静けさを保つために良いホテルを使うと、それだけ出費がかさんでもしまうのですが、カウチサーフィンだと(ホストにもよりますが)プライバシーを確保してくれたり、ということはだいたいやってくれるので、リラックス、休息を十分に取れる、ということも大きなメリットでしょう。


◎5、お金以外の物を「交換」できる
カウチサーフィンは、どちらかといえば「物々交換(シェア)」という概念が根底にあります。
プロフィール欄にも「自分が提供できるもの、自分が知りたいもの」を書く欄があって、泊めてもらう側が料理を作ったり、一芸を披露したり、知識をシェアしたり…ということを通して、「何かと何かを(お金を介さずに)交換する」ということを実現できるようになっています。
(ただ、実際に泊まらせてもらうと「お客だから気にしないで」と言われて、だいたい自分はぼーっとしています。笑 これはこちらが泊めるときも一緒で、やっぱりお客さんに変に気を遣わせたくはない、ということがあります)



僕が最初にこのサービスを知ったのが、2011年の秋頃で、2012年の春頃から旅行の際に使い始めました。

ここで、幾つか気になる点や、使ってみた中で気づいた注意点を書きます。


1、変な人の家に泊められることはないのか?
カウチサーフィンに登録をすると、自分のプロフィールを詳しく書くことができ、ホストを探したりするときも、ここは検索をできます。
写真も載せることができるので、この欄をある程度しっかり書いていれば、そんな怪しい人に捕まったりすることはないでしょう。
また、このサービスは宿泊後にその人を「評価」することができるので、その欄を確認することで、その人の評価、人となりをより強力に確認することが可能です。
(最初、何の「評価」もない時が一番大変ですが、既にサービスを使っている友達があったことのあるホストを紹介してもらったりしましょう。)

ただ、女性の場合少しリスクが高くなるかもしれません。旅先で知り合った女性は、カウチサーフィンを使うか使わないかがはっきりと分かれていましたが、使っていた方も「女性としか会わない」というような、自分の中でのルールを決めて使っておられました。


2、英語はある程度使えるようにしておきましょう
このサイトは、今の所日本語対応はしていません。ですので、メールのやり取りはもちろんですが、サイトを閲覧するときも、ある程度英語を使えるにこしたことはありません。
(だいたいコミュニケーションは英語なので、英語ができることは最低条件かもしれません)



3、ホストを探す際は、1〜2週間くらい前から余裕を持って
人によって、このサービスのメールを確認する頻度も異なりますし、直前に「泊めて!」と言われても、スケジュールが埋まっていることもありますし、泊める側からすると迷惑極まりありません。

お金の節約等、魅力は沢山ありますが予めおよそのスケジュールを決めて、余裕を持って「泊めてもらえませんか」とメールしましょう。それが最低限のマナーです。


今回は本当にざっとしたまとめですが、実際にこれを使って世界一周をしていた方もいるので、使い方次第では自分の旅、あるいは(泊める側として)普段の生活を一層深いものにできるのではないでしょうか。


― ― ― ― ―

<「新しい生き方」の原点>
実はこのカウチサーフィンとの出会いは、僕が今興味を持っている「新しい生き方/働き方」について考えるきっかけになった、原体験に他なりません。

カウチサーフィンを知ったのが、大学4年の時で、初めて実際に使ったのが卒業時。この時は、6週間ヨーロッパを旅して、このカウチサーフィンを使ったり、知り合いの家に転がり込んだりして(あれは今思い返すと本当に厚かましくって、よくできたもんだと思う)、とにかくあまりおかねをかけずに、貧乏旅行をやっていました。(結局、それでも結構大きな額を使ってしまいましたが…)

当時、カウチサーフィンは殆ど失敗しました。連絡をするのが直前になったのがその原因ですが、それでも何人かはカウチサーフィンで泊めて頂きました。中には、メッセージを送った次の日に泊まるのに、朝メールを確認しても返事がなくて、バスで目的地に向かって宿は探そう、と思ってバスターミナルに着いたら、その人が迎えにきてくれていた、なんてこともありました。

この時に、「え、お金払わずに人の家に泊まることができるの?」と、本当に目からウロコが落ちたのです。

旅の費用はバカになりませんし、その中でも宿泊費は桁が大きいので、結構な額を占めます。それなのに、このサービスを使うと、見知らぬ人の家に泊めてもらえて、いろいろ話もできて、情報ももらえて、繋がりができて…なんて、当時の僕には天変地異のような驚きでした。仕事を始めたら、給料からお金をやりくりして、資金を作って旅をする、という、ごくありふれた思考しかしていなかったので、「お金を介さない」ということがとても新鮮で、かつ強烈だったのです。

<お金を介さずにシェアしよう>
上にも書きましたが、カウチサーフィンの根底には「シェア」の概念があります。住居提供と何かを交換、という(半分建前ですが)理念のもとに、世界で同じような関心を持った人たちが、助け合う(相互扶助)精神を持って、旅人を支える。宿泊費はいりませんし、時には料理をごちそうしてくれたり、洗濯機を貸してくれたり、インターネットも使えたり…と、本当に、こちらからするとお金は殆どかかりません(厳密に言うと、向こうはお金を使って交易を行っている訳ですが)。

だからこの時、「あ、もしかしたらお金って、交換手段の一つでしかないんだ」と思って、ちょっと気が軽くなったんです。なかなか旅をすることはありませんが、こんなところで「お金を介さない」交換活動ができるなんて、僕にはすごく素晴らしいことに思えましたし、そこに少し、希望を見いだしたのでした。

もちろん、お金があるに越したことはないのですが、カウチサーフィンを使ったことがきっかけで、「じゃあ、お金を介さずに物々交換ができる時ってあるんじゃないか?」「いや、自分たちで作り出せる物もあるのかもしれない」ということにも関心が出てきて、今に至ります。
(実際の所、自分はまだまだそこまで行動できていません。)



<やっぱり世界は、人である>
僕はモノよりヒトに興味があるタイプの人間なのですが、やっぱり世界は人が作っていて、その人たちが支えあっているんだなあ、と思います。
一昔前は「無縁社会」なんて暗い言葉が流行っていましたが、カウチサーフィンを使っていると、世界にはこんなにも、人に対して好意的に応対をしてくれる人たちがいるんだ、ということに気づかざるを得ません。

別に、人が全てだとは思いませんし、逆にお金が全てだとも思いませんが、こんな風に、力を必要としている人に、少し余っている力をシェアすることで、お金を介さずに豊かな交易活動ができるなんて、世の中まんざら捨てたもんじゃありません。

人との出会いは最高のエンターテイメント。豊かな営みを行っている世界に、あなたも足を踏み入れてみませんか。

(「交易活動」という言葉は、坂口恭平さん「独立国家の作り方」に出てきた本ですので、興味のある方はそちらもどうぞ。)

0 件のコメント:

コメントを投稿