2013年11月4日月曜日

不安定こそ、安定なのか

年明けからずっと、フリーとして仕事をしているのですが、当然というか、不安定です。

収入的に不安定なのはもちろん、それがひどくなると、精神的にも不安定になります。(ただ、それが変な方向で発露することはないです)


毎月の収入は当然ながら違いますし、来月の仕事のアテがあるわけでもない。つまり、いわば「一寸先は闇」の世界を生きているわけです。

最近は幸いなことに、ある程度収入の幅が安定してきているのですが、それでも数ヶ月先はどうなっているか、わかりません。


そんな僕は、現在複数の仕事をさせて頂いています。

本業、かつ表向きの仕事は「翻訳」ですが、通訳の仕事もさせて頂きましたし、Kindle Direct Publishingで本も出版しています。

また、メインの翻訳も、複数の会社に登録することができたり、自分で開拓したお客様も複数いて頂いているので、頂く仕事の量や内容も、いろいろです。


そこで、ふと考えるんですね。


「実は、複業こそが生物的に本質に近い生き方なのではないか?」と。

今の世の中、終身雇用がなくなって、年功序列も崩れ、人ひとりが仕事をする期間より、会社の寿命が短くなっている、なんて言われます。

そういう潮流の中で「一つの仕事(一般的には会社)に頼ってしまうと、それが潰れると生きて行けなくなる」ということが、多くの場で言われてきているのも、事実です。

それでも、まだ「会社員(正社員)/公務員」として「一つの取引先のみ」と働いている人が多い訳ですが、これってやっぱり、変なんじゃないかな、と思います。


僕たちは毎日、ご飯を食べます。

その食卓には、白米があって味噌汁があって、肉料理や魚料理、野菜等、いろいろなメニューが出てきます。

当然ながら、毎日口にするものは違いますし、それらに含まれる栄養やエネルギー(カロリー)も、異なってくる訳です。

そして、よくよく考えると、人間は何も、一種類の食糧を口にして生きていっている訳じゃないんですね。

穀類でも、ご飯を食べる時があればパンを食べる時もあります。一口に野菜といっても、いろいろあります。

そして、仮に何か一つの食糧が手元に届かなくなっても、代わりとなる食糧があるから、生きていけるわけですね。


だから、経済的ななエネルギー(=お金)を手に入れるのに、たった一種類のエネルギー源だけだと、それが潰れるとおしまいです。


もっと言うと、食糧を手に入れるのに、スーパーAしかないと、それが潰れるとダメ。自分で農業をしていても、畑(田んぼ)Aしかないと、それが潰れるとダメ。

結局、「規模の小さい複数の選択肢」を持っている方が、生き残りやすいのではないでしょうか。

(生態系も、複雑な方が種が絶滅しにくいといいます。)


そう考えると、翻って、自分が口にするエネルギーがたった一種類でいいのか、それを作る畑が一カ所でいいのか。

生物の本質を探って行くと、ぼくはどうも、そうではないような気がします。


今「生物学的文明論」という本を読んでいますが、こういう本を読んでいると、ますます種の多様さ、生態系の多様さって大事だ、と思います。

新品価格
¥777から
(2013/11/4 22:41時点)


もっというと、世の中にある生態系が、果たして自分という生命に合ったものなのか。

生物の世界には、そんなヒントが隠されているように思います。


いずれにせよ、僕は「一つの取引先とずっと付き合う」という見せかけの安定が怖いので、今このような方法で仕事をしています。

実際にやってみると、一つ一つの取引額は大きくはありませんが、ゼロになることもなく、「勝ちづらいけど負けにくい」生態系なんだな、と思います。

「月三万円の仕事を5つ作れば、月に15万円稼げる」なんて考え方もあるように、こういう方法のほうが、案外生命の本質に則っているんじゃないかと思います。

新品価格
¥1,575から
(2013/11/4 22:45時点)


もう一つ、今の仕事をしていると、会社員のとき見たいに「一月いくら」ではなく「これだけの仕事をするといくら」というのがはっきりと分かるので、計算がしやすくなりました。

だから案外、何が安定で何か不安定なのか、分からなかったりするのかもしれません。


目をつぶっているから、安定だと思っているだけなのか。

勇気を持って、不安定な状態を知った方が、安定しているのか。


どうやら、僕の作り出したい生態系は「複雑で不安定な、でも滅びにくい」もののようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿