2014年4月30日水曜日

好きなことに時間とお金をつぎ込める尊さ〜仕事と趣味のバランスについて考える〜

10日程前に、地元で天理臨の撮影に行ってきたんですが、もうそこに集まった人たちの本気度に圧倒されてしまいまして。

ん十万もするカメラ一式を揃えて、はるばる遠路からやってくる人たち。脚立を使って、目的の列車の通過の数時間前から撮影地で待機をしておられた方が沢山いたのですが、もうその姿に圧倒されました。自分はここまで命をつぎ込める趣味(?)があるのか、と。


そしてこの時にふと思ったのですが、そういえば昔(大学の始め頃まで)は、自分もいろんな趣味にお金を時間をつぎ込んでいました。その趣味と言えばもっぱら鉄道関連で、貧乏旅行をしたり鉄道模型を買ってはジオラマをつくったり改造をしたりしていました。(今ももっぱら、海外旅行にお金を使っているのですが…)

そういえば、大学の後半、就職活動が始まることから、自分の趣味についてはあまり考えなくなった気がします。私は殆ど就職活動はしませんでしたが、特に大学に進んでからは、趣味で話の合う人がいなかったり、旅行や他の活動にのめり込んでしまったのもあって、自分がずっと打ち込んで来たことについては忘れてしまったことも多くあったと思っています。
(大学時代はどうしても、キャリアのこととかについて考えることが多かった気がしますし、周りもそういう人が多かった。)


けれど、今回の撮影に足を運んで分かったのですが、世の中には「仕事が人生」じゃない人も沢山いて、そんな人たちは仕事しつつもきっちりと調べ物や準備をして、時には有給休暇をとって、遠いところはるばると自分が追いかけるものに会いにやって来られるんです。そういう意味で、「やっぱり人生、仕事だけじゃないよなあ」ということに気づけた今回の撮影は、自分にとっては予想外の収穫があったわけで。


もしかすると、自分自身もともと「仕事は趣味のためのお金稼ぎ」という考えの方が強かったのかもしれません。あまりそんなことを意識したことはありませんでしたが、確かに「仕事をして世界を変える(社会を変える)」という大きなビジョンを持っていた訳ではなく、「趣味でお金がいるから、どうやったらお金貯められるんだろう」くらいの「ゆるい」考えの持ち主だったのは確かです。(究極的にいうと、「社会を変える」という理念よりも「自分がどう生き残るか」という命題の方が好きです。)


現在私が付き合っている人は、多くがご自身で事業をされている方であり、その人たちは殆ど「仕事と人生が殆どシンクロしている(社畜、という意味ではなくてもっと良い意味で)」状態にあると思います。そのために普段意識しないのですが、おそらく、というか絶対に、会社勤めをされている方でも、今回の撮影のように、そちらに「命を燃やす」方々も一定数おられると思います。鉄道でも飛行機でも模型でもアイドルでも、なんでもいいですが、仕事もやるけど自分が命を捧げる場所は、仕事以外にもある、という方は絶対におられると思います。ほら、そこのあなたもそんな一人ではありませんか?


自分の好きなことに時間とお金を費やすことができるのは、とても尊いことです。大学時代から、私(たち)はずっと「仕事によって自己実現」だの「仕事を通して社会にコミットする」だの、そういう文言ばかりを浴びせられてきたわけですが、そんなに世界は平板ではありません。ネットでよく見る「就職できずに自殺」「過労で心身を壊す」「10年後に存在しない仕事」「キャリアアップの方法」なんて、もちろん前者二つは深刻な問題ではありますが、もう仕事のことばかりで頭を悩ますのは辞めにしませんか。辞めにしましょう。ストップをかけましょう。仕事以外の部分でも、自分を必要としてくれる人は必ずいますし、仕事でうまく出世できなかったとしても、自分の趣味に時間を忘れて没頭できるのであれば、それはかけがえのない素晴らしいことではありませんか。

(私もよく「(機械化によって)仕事がなくなったらどうするの?」と聞かれますし、10年後どうなっているかは不安ですが、最近は「仕事がなくなったら、それだけ自分の好きなことに時間を使えるんだからいいじゃないか」と、開き直るようになりました。でも実際そうではありませんか。)


時間とお金を自分の好きなことにありったけつぎ込める。ずっと前に垣間見た世界をもう一度見たことで教えられた示唆は、とても重要なことだと私は思います。


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