2013年12月21日土曜日

「アルケミスト」に書かれてある一節が、人生の本質を表していた。

この年でようやく「アルケミスト〜夢を旅した少年」(角川文庫)を読んでいるのですが、そこに出て来た一節がこれ以上ないほどに、人生の本質を表していたので、今回はこれを抜粋します。

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〜〜以下抜粋〜〜

「もし僕がここにとどまったら、どうなるのですか?」

「どうなるか教えよう。おまえはオアシスの相談役になるだろう。たくさんの羊とたくさんのらくだを買うためのお金も、十分に持っている。ファティマと結婚して、二人とも一年間は幸せに過ごす。おまえは砂漠が好きになり、五万本のやしの木の一本いっぽんを知るだろう。それは、世界が一刻一刻変わってゆくのを証明しながら育っていくだろう。おまえは前兆の読み方がどんどんうまくなってゆく。それは、砂漠が最高の先生だからだ。

二年目のいつ頃か、お前は宝物のことを思い出す。前兆が執拗にそのことを語り始めるが、おまえはそれを無視しようとする。お前は自分の知識をオアシスとその住民のために幸せのために使う。族長はおまえのすることに感謝する。そして、おまえのらくだは、おまえに富と力をもたらす。
三年目にも、前兆はおまえの宝物や運命について、語り続けるだろう。おまえは夜ごとにオアシスを歩き回り、ファティマは、自分がおまえの探求のじゃまをしたと思って、不幸になる。しかしおまえは彼女を愛し、彼女はおまえの愛にこたえる。おまえは、ここにいてくれと彼女が決して言わなかったことを思い出す。砂漠の女は、自分の男を持たなければならないと知っているからだ。だからおまえは彼女を責めはしない。しかし、おまえは砂漠の砂の上を歩きながら、もしかして自分は行けたのかもしれない…もっとファティマへの自分の愛を信じることができたのかもしれない、と何度も考えてしまう。なぜなら、おまえをオアシスに引き止めたものは、二度と帰って来ないのではないかというおまえ自身の恐れだったからだ。その時、おまえの宝物は永久に埋もれてしまったと、前兆は語るだろう。

そして四年目のいつか、前兆はおまえを見捨てるだろう。おまえがもう、それに耳を傾けるのを止めてしまうからだ。部族の長たちはそれを発見して、おまえは相談役の地位を解かれてしまう。しかし、その時にはおまえは金持ちの商人になっていて、おおくのらくだや商品を持っている。おまえはその後の人生をずっと、自分は運命を探求しなかった、もうそうするには遅すぎると思って、暮らすだろう。」

〜〜〜〜

いや、この本は読みたい読みたいと思っていたんですが、所詮ただの旅の本だろうと思ってタカをくくっていたのが間違いでした。(実際には、Kindleのセールで安く手に入れられた、というのもありました)


特に後半。自分はいままで、こんな風にだけはなりたくないと思って選択をしてきたから、心に沁みました。

なかなか深みのある話なので、興味のある人は一度読んでみてはいかがでしょうか。


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