2015年11月13日金曜日

素直さとバカは紙一重



「人の話は素直に聞け」という言葉があります。



説教くさい響きがありますが、ぼくも中学生や高校生の時には、先生がクラスで言っているのをよく聞きました。



「素直さ」というのは難しい問題で、ちょっとズレると「バカさ」「単純さ」と取り違えられてしまうことがあります。


もっと言うと、「素直」であるからこそ、「洗脳」が簡単にできてしまう。




ぼくはよく、「素直ですね」と言われるのですが、自分ではそんなことは1ミリも思っていません。


むしろ、「あまのじゃく」だと思っていますし、「物好き」な部類の人間に入るのではないでしょうか。




そんなぼくですが、一つだけ「素直さ」を肯定することができるのであれば、それは「ものすごく結果を出している人の話は間違いなく聞く」という面だと思います。



これは紛れもない事実でして、仕事で結果を出していて、その結果稼ぎもすごい人の話は端々まで聞いて自分のものにしようとしますし、仕事以外の面でも、自分が尊敬する分野で結果を出されている人の話は間違いなく、聞いて自分で実践するでしょう。



これはある意味「素直」なんですが、巷で有名人気取りをしている人の話には全く耳を貸さないので、そういう人から見れば「全然素直じゃない」となるわけです。


これが難しい問題で、世間一般で「素直に従え!」と言う人は、果たして相手を説得するだけの(背中で示せるだけの)力があるのかどうかを、よく考えてみるべきです。



ぼくは中学時代の先生に幻滅をしてしまって、あの時に教師の道は諦めてしまったのですが、一言で言うと、全く説得力がなかったわけです。


「こんな人の話を聞いて何のためになるのか?」とは思っていましたし、あの頃から、プロ野球選手やプロ棋士や、ものすごい壮絶な世界で結果を出している人に憧れを抱いていたので、そこらへんの市町村で公務員をしている、どこの誰とも分からない「教師」の言うことに、耳を傾けることはできなかったんですね。
(もちろんあの頃は、今よりも遙かに従順で敏感だったので、ここまで強気ではなかったんですが)




皆さんも考えて欲しいのですが、果たして自分が向き合っている相手は「素直に従うほどの対象なのか?」と一度は疑ってみるべきなんです。


特に仕事なんかだと、「あの人の人間性はからっきし尊敬できないし、むしろ自分のほうがましだと思うけれど、上司だし仕方なく聞いている」という人は一定数いるでしょうし、そう思っている方は少なくはないはずなんですね。

(そういう世界で「我」を押し殺してしまうから、結局悪影響を受けて「洗脳」されてしまうのもまた事実なのですが…。ぼくはそれで、自分の人生を失いそうになったことがあるので、そういう人を見ると、もうとても辛いわけです)



もちろん、世間である程度上手くやっていくには、「見切り」というか処世術のようなものも必要なんですけれど、「この人だったら素直に従える」というのは、自分自身の哲学に依る部分が多いので、そういう思いは大切にして欲しいですし、疑問に思ったことは家でメモに残すなりして欲しいですし、その上で、別の世界に自分の「メンター」を見つけようと、して欲しいわけです。



他人から見る「素直さ」と、自分の目線で考える「素直さ」は違いますから、間違っても他人からは「素直」と思われているのに、自分自身が「バカ」になるようなことは、やめて下さいね。



「自分の頭で考えることを大事にしよう」という話でした。




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