数年前に一世を風靡した「ノマド」という生き方、働き方ですが、この方法論は現在は既に流行遅れ、といいますか、安易にこの方向を目指して首が絞まってしまった人が沢山出てきてしまった、という印象があります。
「ノマド」ってどうよ?
ノマドになってはいけない5つのタイプ(BLOGOS)
Googleで「ノマド」と検索すると、賛否両論、いろんな方法論やレポート、実践者のブログなどが検索されるのですが、一番イメージとして大きいのは「喫茶店でパソコンを開いて仕事をする」というようなものではないでしょうか。
「ノマド」が興ってブームとなり、そのブームが過ぎ去ってわずか2、3年だとは思うのですが、私はこの流れが、将棋の世界における一世を風靡した戦法「藤井システム」の栄枯盛衰にとても似ていると思いました。
藤井システムを説明しようとすると、将棋をされない方にはとても難しいのですが、一言で言うと「これまでの将棋の歴史で、一番常識を打ち破った(セオリーに反した)戦法」です。
参考:藤井システムとは
将棋というのは、相手の玉を詰ます(行きどころをなくす)と勝ちになるゲームです。一般的なセオリーは、玉の次に力の強い飛車という駒を配置して、玉はそれとは逆の方向に逃れて、金銀三枚で守り(戦場から遠ざける)、その上で戦う、というものです。
これに対して当の「藤井システム」(厳密に言えば、対居飛車穴熊藤井システム)は、玉も囲わず、一目散に攻める戦法です。
この戦法が初めて登場した時は将棋界に震撼を与え、その後羽生さんを含むトップ中のトップ棋士も研究し、実践で使うような、誠に「優秀な」戦法として認められました。
一時期はこの戦法が本当に優秀とされていました。しかし、この戦法を迎え撃つ更に優秀な対抗策も生まれ、結局現在は「藤井システムは勝ちにくい」戦法として、下火になっています(絶滅したといってもいいくらい)。
藤井システムが誕生してから現在に至るまで、恐らく10年以上の歳月が流れているのですが、この10年を凝縮すると、私は世間の「ノマド論」の誕生から下火になるまでの流れにとても似ているように思うのです。
どちらも、「何か強力な存在に対抗する強力なカウンター」として機能し、多くの人から注目を集めたのだと思いうのです(ノマドの場合は「既存の働き方」、藤井システムは当時最強と言われた「居飛車穴熊戦法」)が、結局時間が経って分かったのは、これらは万人がうまく使いこなせる戦術(戦法)ではない、ということです。(現在も、藤井システムを使って戦っているプロも何人かはおられます。)
◎大事なのは力(実力)があるかどうか
藤井システムを開発した藤井九段の言葉に、次のようなものがあります。
藤井システムは正直いって、勝ちに行く戦法です。他の戦法とはセオリーが違うし、この戦法を使って「強くなろう」なんてことはやらないほうがいい。下手に指すと空中分解してしまいます。だから、藤井システムはあくまで左美濃、居飛車穴熊に「勝つ」戦法なので、まずはきちんと四間飛車の定跡を覚えたり、手筋を勉強したり、寄せの勉強をして下さい。その上で藤井システムを指して下さい。
(どこかの本で読んだだけなので、厳密な引用ではありません)
この言葉、「藤井システム」を「ノマド」に変えても十分に通用すると思うのは私だけでしょうか?
将棋の戦法しても仕事にしても、十分な実力のある方の手にかかれば結果はついて来るものでしょう。現在は絶滅したかのように思われる「ノマド」も、きちんとこの方法で仕事をされている方、結果を残されている方はおられるはずです。
藤井システムを「かっこいいから」という理由で指す人はあまりいないと思うのですが(やはり「勝ちやすいか」「優秀か」が基準となると思います)、ノマドの場合「そうしている自分がかっこいいから」という、ズレた物差しで判断、道を選んでしまうとエラいことになってしまいますよね。
「ノマド」ってどうよ?
ノマドになってはいけない5つのタイプ(BLOGOS)
Googleで「ノマド」と検索すると、賛否両論、いろんな方法論やレポート、実践者のブログなどが検索されるのですが、一番イメージとして大きいのは「喫茶店でパソコンを開いて仕事をする」というようなものではないでしょうか。
「ノマド」が興ってブームとなり、そのブームが過ぎ去ってわずか2、3年だとは思うのですが、私はこの流れが、将棋の世界における一世を風靡した戦法「藤井システム」の栄枯盛衰にとても似ていると思いました。
藤井システムを説明しようとすると、将棋をされない方にはとても難しいのですが、一言で言うと「これまでの将棋の歴史で、一番常識を打ち破った(セオリーに反した)戦法」です。
参考:藤井システムとは
将棋というのは、相手の玉を詰ます(行きどころをなくす)と勝ちになるゲームです。一般的なセオリーは、玉の次に力の強い飛車という駒を配置して、玉はそれとは逆の方向に逃れて、金銀三枚で守り(戦場から遠ざける)、その上で戦う、というものです。
これに対して当の「藤井システム」(厳密に言えば、対居飛車穴熊藤井システム)は、玉も囲わず、一目散に攻める戦法です。
この戦法が初めて登場した時は将棋界に震撼を与え、その後羽生さんを含むトップ中のトップ棋士も研究し、実践で使うような、誠に「優秀な」戦法として認められました。
一時期はこの戦法が本当に優秀とされていました。しかし、この戦法を迎え撃つ更に優秀な対抗策も生まれ、結局現在は「藤井システムは勝ちにくい」戦法として、下火になっています(絶滅したといってもいいくらい)。
藤井システムが誕生してから現在に至るまで、恐らく10年以上の歳月が流れているのですが、この10年を凝縮すると、私は世間の「ノマド論」の誕生から下火になるまでの流れにとても似ているように思うのです。
どちらも、「何か強力な存在に対抗する強力なカウンター」として機能し、多くの人から注目を集めたのだと思いうのです(ノマドの場合は「既存の働き方」、藤井システムは当時最強と言われた「居飛車穴熊戦法」)が、結局時間が経って分かったのは、これらは万人がうまく使いこなせる戦術(戦法)ではない、ということです。(現在も、藤井システムを使って戦っているプロも何人かはおられます。)
◎大事なのは力(実力)があるかどうか
藤井システムを開発した藤井九段の言葉に、次のようなものがあります。
藤井システムは正直いって、勝ちに行く戦法です。他の戦法とはセオリーが違うし、この戦法を使って「強くなろう」なんてことはやらないほうがいい。下手に指すと空中分解してしまいます。だから、藤井システムはあくまで左美濃、居飛車穴熊に「勝つ」戦法なので、まずはきちんと四間飛車の定跡を覚えたり、手筋を勉強したり、寄せの勉強をして下さい。その上で藤井システムを指して下さい。
(どこかの本で読んだだけなので、厳密な引用ではありません)
この言葉、「藤井システム」を「ノマド」に変えても十分に通用すると思うのは私だけでしょうか?
将棋の戦法しても仕事にしても、十分な実力のある方の手にかかれば結果はついて来るものでしょう。現在は絶滅したかのように思われる「ノマド」も、きちんとこの方法で仕事をされている方、結果を残されている方はおられるはずです。
藤井システムを「かっこいいから」という理由で指す人はあまりいないと思うのですが(やはり「勝ちやすいか」「優秀か」が基準となると思います)、ノマドの場合「そうしている自分がかっこいいから」という、ズレた物差しで判断、道を選んでしまうとエラいことになってしまいますよね。
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