2014年5月2日金曜日

フリーランスで仕事をしていると気づく、サラリーマンでは分からない「当たり前」の三つのこと

フリーランスで仕事をしていて良かったと思える時はいろいろあるのですが、今回はその中でも「仕事に対する姿勢」「お金のやりとり」という点からの気づきをまとめようと思います。


1、仕事(業務)とは「契約内容の履行」である

これは、個人で仕事をしていても会社員で仕事をしていても変わらない筈なのですが、特に個人で仕事をしていると「業務の範囲」というのははっきりさせることが多いです、というより、絶対にはっきりさせます。

例えば、翻訳をしていて、チェックをどこまでするのか、修正があった場合にどこまで無料で対応するのか、(時間の関係で)分からない点をどこまで先方に確認するのか、などです。

事前に仕事を頼まれる時でも、「自分の担当範囲はどこまで」と言ったことは、会社員をしていた時以上に明確にするようにしています。分からない点があれば、相手に確認をするようにします。

こうすることによって、できるだけ「不当な仕事(責任)の押しつけ」を回避します。自分がどれだけの仕事をして、どこからは責任を負わないのか、ということをはっきりしておかないと、仕事の安請け合いになってしまう危険があるからです。

このことは、企業同士の取引(特に大企業同士等)でも当てはまるのだと思いますが、なぜか企業と従業員という「雇用関係」では、明確化されない場合が多いように思います。サービス残業も、「働いた分は対価を支払う」という「契約」を履行していませんし、そもそも会社員であっても、(小さな企業だと線引きがうまくなされないとは思いますが)「自分の仕事の業務はここまで」という範囲は、なされるべきでしょう。

そういう意味では、日本ではまだまだ「契約」という意識が明在化していないと思います。特に企業と従業員・フリーランスという業務関係においては。


最近は海外との取引も徐々に増えていっているのですが、欧米企業とのやりとりで感心するのは、NDAの締結や支払規定、業務範囲の明確化等、全て書類+サイン(署名)を行う点です。

私の取引先がたまたまそうしているだけなのかもしれませんが、これまでの三社は全て、全部きっちりしていますし、支払いやその他業務関連の手続きもスムーズに進んでいます。企業側から進んで「契約を履行します」という姿勢が現れているのかもしれませんが、こういう取引先と仕事をすることが増えていくと、日本の企業がいかに「口約束」で物事を依頼し、杜撰にやりとりをしているかが分かります。(もちろん、きちんと取引をしている日本企業もありますし、杜撰な海外企業もあるのは承知です。)



2、報酬とは、提供した価値(仕事)に対する対価である

私の仕事は主に
・いつまでに、どういう内容の文章を翻訳して納品する
・いつからいつまで、通訳の対応をする

というものですが、他にもこれまで
・イベントの告知をSNSを用いて継続的に行う
・欧州在住の日本人を企業に紹介する

というような仕事もさせて頂きました。

このような仕事には全て、締切がありますし、その内容(結果)も問われます。

そして、仕事の報酬とは、その案件に対するものであり、「どれだけのアウトプットをできたのか」「どれだけの価値を相手に提供できたのか」ということが問われているわけでもあります。

もちろん、今でも「○時間働いたからいくら」という仕事をさせてもらってもいますが、会社員の時以上に「時間内でどれだけの価値を提供できるか」ということは考えるようになり、実践するようになりました。会社員のメリットとして、失敗をしてもいつも同じ額の給料をもらえるということ(と賞与がもらえること)がありますが、「自分の仕事の価値がどれだけで、対価がいくらなのか」をはっきりと知ることができる、意識するようになるのは、何といってもフリーランス(と起業家)の特権であり貴重な勉強の機会だと思います。



3、収入は足し算、支出は引き算である

これも当たり前といえば当たり前なのですが、幾つかの仕事が合わさって「売上」となり、その中から必要経費を差し引いた額が「儲け(≒手取り)」となります。

なので、社会保険、年金等の支出も(必要経費と考えられるかどうかは別として)「支払っている」ということは嫌でも意識します。

会社員だと、勤務日数が若干異なっても(ゴールデンウィークやお盆のある月と、そうでない月があっても)月給は変わらないので、「収入は足し算」ということを意識する機会は少ないかもしれません。かつ、年金等も会社が勝手に手続きをしてくれるので「払っている(支出として出て行く)」という意識は、持ちづらいかもしれません。


以上の三点は、フリーランスとして活動しだしてからものすごく意識するようになりましたし、目を背けたくても背けられない事実であることにも気づきました。

自分で考えて取組まないといけないことが沢山あるので大変ではありますが、仕事やお金といったことに対して、ものすごくドライに考えられるようになったのは、大きな財産だとも思っています。

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