ぼくにとって上京列車は、間違いなくこの列車です。
サンライズ出雲・瀬戸(東京~出雲市・高松)。
この列車は、上りだけ関西圏の主要駅に停車するんですね。
岡山、姫路を出発した後、三ノ宮と大阪に停車。そこから一路東京を目指します。
上京列車というのは一昔前、夜行列車全盛時代に、日本各地から東京を目指す列車のことを指して、「出世列車」という風にも呼ばれたんですよね、確か。
今は新幹線の名前になっていますが、かつて東京と長崎・佐世保を結んでいた「さくら」は、福山雅治が上京する際に使った、という話もあるとか。
そんな夜行列車もほぼ消えてしまって、このサンライズ出雲・瀬戸が残るのみとなってしまいました。
(ものの15年前には、日本各地を夜行列車網が形成したわけですから、本当に「15年」で世の中大きく変化するんですよね。)
この「サンライズ」には学生の頃から何度か(計10回くらい?)利用したことがあります。
初めて使ったのは、大学三年の春だったかな。
初めての利用で、奮発して個室を予約して使ってみたんですよ。
三ノ宮0:13発、東京7:08着。
ものの7時間の旅ですし、夜中の出発なんで殆ど夢うつつ状態になってしまった記憶があるんですが、上段の個室寝台の、天井側に開いた半円窓(?)から見える星空はきれいでした。
その時以降、何度かサンライズは東京に行く時に使いましたが、あとは全て座席車(指定席扱いの雑魚寝)を使っています。
カプセルホテルみたいなもんなんでしょうか。
この座席車は、南側に頭を向けて寝るので、上り列車だと午前5時くらいに、熱海を過ぎたあたりで太平洋を眺めることができるんですよね。
季節によって日の出の時間は異なるんですけどね。
でも、この眺めは壮観ですよ。
ぼくはもう、10年くらい前から、夜行列車の廃止を目の当たりにしてきたわけですが、今「ブルートレイン」が全廃してしまった状態ででも、やっぱり思うんですね。
夜行列車を使って旅をして欲しい
と。
サンライズの個室だと難しいんですが、同じ列車の同じ車両で出会った人とは「一つ屋根の下」状態で一晩過ごすわけですし、こういうのは安宿で経験する「偶然の出会い」と、何ら変わらないものなんですよね。
あと、夜行列車が良いのは、基本的に寝転がって移動できることですし、
「サンライズ」の上りの場合もそうですが、朝起きると見知らぬ土地を、線路の響きに合わせて移動しているというのは、なんとも言えない気持ちになるもんです。
ぼくが前に「サンライズ」を使った時は夏休みだったからか、中学生と思しき子たちがそろって雑魚寝車両を使っていたんですが、
日付が変わっても(静かに、かつ)楽しそうに乗っていて、ああいう風景を見ると、普段地元から出る機会が少ない子供にとっては、ああいう形で異世界に足を踏み入れるのは、まさに「冒険」以外のなにものでもないんだろうな、とは今になっても、というか今だからこそ思えるんですよ。
てなわけで(半ば強引ですが)、このブログを読んでいただいたみなさんは是非、サンライズ出雲・瀬戸は利用してみて下さい。
関西にお住まいの方は、東京行きを使ってみて下さい。
東京にお住まいの方は、うどん県への冒険や、縁結びで出雲大社に行くのはどうでしょう。
もちろん、岡山や香川、鳥取(米子)、島根にお住まいの方も、関東に遊びに行く時に利用できます。
せっかく利用するのであれば、仕事じゃなくて旅行の方がいいですね。だって、いろいろ気を揉みながら朝の太平洋を見るのはなんか嫌じゃないですか(笑)
夜行列車を使うと人生が変わる、とまでは言いませんが、間違いなく旅行が好きになりますよ。
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