2016年2月11日木曜日

職人たるもの、臆病であれ







最近、個人的に気になっていた挾土修平さん。


「左官」という言葉の定義すらよく知りませんでしたが、


この「臆病じゃないといけない」という哲学はすごく分かるというか、


自分の場合も「抜けがあったらどうしよう」とか「失敗ししたらどうしよう」という気持ちを強く持つことが多いので、


まさか、自分と似たような考え方をしている人で、世界トップクラスがいるということに驚きました。



自分の場合、仕事の時はいろいろと調べる方なのですが、


仕事の途中でも、新しい「分からないこと」が出てきたら、そこで(時間が許す限り)調査をして、自分なりの落としどころを一旦作ってから、先に進みます。


又は、仕事のリズムを狂わせたくない場合は、差し障りのない範囲で先まで進めてから、その地点に戻って調べ直します。
(あ、翻訳での仕事の話をしています。)



ただ、臆病とは言っても、成果物に対しては、自分なりに納得した思考プロセスを持って訳文生成/確定を行っていますから、「いろいろと考えた上で、自分の知らない世界で漏れがあったらどうしよう」なんてことを考えている、というような状況ではあります。



将棋で言うと、「自分が考えつく限りの手順は読んだが、相手がそれを上回った妙手を発見しているんじゃないか」と対局中に思うような、「臆病」感です。



実際、フィードバックを頂く際には、自分が気づいていない部分を指摘して頂くことが殆どなので、どこまで行っても終わりはないし、自分なんて未熟な存在だ、くらいには思っていますが、



挾土さんのような哲学を持っている人が仕事の世界で溢れたら、偽装建築も食品偽装も所得隠しも、なくなるはずなのになあ。





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